シードル
100%果汁ジュース
ブルーベリー
二十世紀梨
南水梨
シナノスイート
サンふじ
わけありりんご

園主の湯澤秀樹です。ここでしか食べられない美味しい果物を育てることに情熱を燃やしています!ぜひフェイスブックでもお友達になってください!
>園主プロフィールはこちら
>フェイスブックはこちら
>インスタグラムはこちら

くだものの恵みHomeスタッフBlog
スタッフBlog
スタッフBlog:425
«前のページ 1 ... | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ... 22 次のページ»
2013年03月01日
◎維新の内紛が物語る空中分解の予感
もうブームの再来はない
 江戸っ子流にいえば維新の内紛は「ガキのけんかでもあるめえし」というところだろう。それにしても日銀総裁という最大の人事案件まで得意の“政治的アピール”に使うとは、維新の会共同代表・橋下徹はどういう神経の持ち主なのだろうか。国会議員団を“下部(しもべ)”とでも考えているのだろうか。もともと総選挙における大阪以外の地方区の壊滅は、橋下維新の虚飾性を露呈するものであった。ブームは幻であったのだ。これでは参院選挙で、再びブームなど起きるはずがない。
 かねてから「双頭のヘビ」と指摘してきたところだが、大阪から国会議員団を“遠隔操縦”することなど不可能だ。ましてや、橋下の頭の上がらない石原慎太郎がトップだ。「黒田東彦日銀総裁」人事に異論を唱えたかったら、大阪市長を辞めて自ら衆院議員になるべきであったのだ。維新の国会議員団の判断はまっとうであった。騒動の発端は、日銀総裁に副総裁候補の岩田規久男を充てるべきだとする橋下の主張に国会議員団側が反発したことにある。国対委員長・小沢鋭仁が「人事はベストに近い」と述べ、橋下の逆転人事を「黒田さんは辞退するだろう」と反対したのは筋が通っている。橋下は財務省出身だけを問題視しているが、日銀人事は純粋に適材かどうかに絞って判断すべきであって、経歴を問題にするのは不見識のそしりをまぬがれない。「口を出すな」という声ももっともだ。
 ところが橋下はこけんに関わると思ったに違いない。国会議員団にメールを送り、方針を覆そうとしたが、議員団の大勢は人事容認に向かっている。ついに頭にきて「代表に口を出すなと言われたら、どうぞお好きにやってくださいということになる。そんなこと言われて代表のポジションにしがみつくような人生哲学は持っていない」と、お得意のたんかを切るに至った。記者会見でも議員団を「与党ぼけ」と、とんちんかんな批判をする始末。かねてから橋下の一貫した政治手法は、あらゆる事象を利用して“しゃしゃり出る”というテレビタレント型である。
 先の桜宮高校の体罰・自殺問題でも、過激な発言を繰り返し、入試の中止や廃校の可能性にまで言及、心ある人々のひんしゅくを買った。教育の場を一挙に我田引水のアピールの場に変えてしまうのである。日銀人事も小沢が陳謝してけりがついたが、不思議なことに共同代表の石原慎太郎(80)や副代表の平沼赳夫(73)は関与しないまま。なぜかというと、二人ともメールが出来ないし、チェックもしないからだ。橋下はそれを知っていて下っ端にだけに怒りをぶつけたことになる。
 国会議員団は白旗を掲げたが、これもだらしがない。結局人事を容認するなら最後まで突っ張るべきだった。次の選挙でも橋本人気を利用しようという魂胆があるからに違いない。しかし、おそらくその思惑は、無駄に終わるだろう。一連の橋下の行動で出てきた政治能力は、一部民放コメンテーターたちが「天才」と褒めそやすようなものでは全くない。むしろ「狭量」で「こらえ性」のない性格の露呈である。これでは国政はつかさどれない。橋下流で国際情勢に対処すれば、尖閣問題ではレーダー照射があった途端に、反撃命令を出すようなことになるだろう。政治とは咀嚼(そしゃく)であり、熟成である。橋下の手法は大阪の市長レベルでは通用しても、国政には通用しない。
 総選挙で維新が取った54議席はその数ばかりに目が行っているが、詳細に選挙結果を分析すれば、もう既に維新ブームは陰りを見せていたことが明白だ。54議席の内実は選挙区では当選者は大阪中心であり、全国的には地方区は壊滅状態であった。立候補者と当選者の割合は自民党が82%当選なのに対して、維新は9.2%にとどまった。大阪以外の当選率はわずかに1.4%だ。
 この結果が予感させるるものは参院選挙の不振であろう。今回の内紛は起きるべくして起きた。もともと石原や旧太陽系との合流は実体的には政策抜きの“野合”の色彩が濃厚であり、今後国会審議や具体的政策課題が発生するたびに、双頭のヘビは立木に引っかかって動けなくなる様相を呈するだろう。原発一つ取っても騒動の要因となる。この実態を度々有権者が目の当たりにすれば、再び維新のブームなどは起きえない。まさに自民党副総裁・高村正彦が「多くの国民が橋下氏を野党ぼけと思っている」と、批判したとおりだろう。 


俳句:さくさくと羅紗(らしゃ)切る音や春隣
2013年02月28日
好評頂きました、規格外りんごですが、

3月5日をもって、販売終了とさせて頂きます。
全国より多くご注文ありがとうございました。


2013年02月28日
◎麻生が“派閥拡大大将”の様相
 負けずに石破も派閥活動是認
 麻生太郎の自派拡大路線が止まらない。総選挙後に自民党で発生した新人囲い込み競争でも先頭を走り、12人の弱小派閥が34人となった。さらに大島派(11人)とも近く合併して党内第3派閥を目指している。狙いは何か。言うまでもない「ポスト安倍」狙いだ。政治家たるもの権力欲がなくなったら終わりだが、72歳の御大は老いてますますさかんだ。かねてから反りが合わない幹事長・石破茂も麻生と互角の「派閥」を結成しており、水面下では麻生Vs石破の対立の構図が次第に鮮明になりそうだ。
 とはいうものの、首相・安倍晋三はつきについている。本人も27日、一時的にねじれが解消して補正予算が成立したたことに触れ、「安倍さんは運がいいと言われるが、運も実力のうちですから」と述べているとおりだ。やることすべてが「怖いようにうまくいく」(官邸筋)という状態だ。アベノミクスは大ブレークして株高・円安を招き、ひょっとしたらデフレ脱却かという希望を生じさせている。日米首脳会談も成功し、超難関であるはずの環太平洋経済連携協定(TPP)も、反対派が腰折れして参加表明への道が開けた。快進撃を見て、民主党からは難破船からネズミが逃げるように離党者が続出。内閣支持率は奇異なことに軒並みスタート時を上回り、70%前後に達している。
 こんな政権を前にして、しかも自ら安倍支持を最初に表明して“主流派”を自認している麻生が、何でここに来て頑張りはじめたかだ。そこには「満たせぬ思い」がある。せっかく政権を取ったにもかかわらず、誤読と高級バー通いなどという愚にもつかないことでマスコミの批判を浴びて、退陣とは泣くに泣けないのだ。そして長年政治家をやっていれば、政権というものは好事魔多しで、いつ倒れるか分からない水商売であることが分かっている。安倍には難病があるし、成長戦略が未定のアベノミクスのバブルがはじければ、一挙に快進撃が総崩れになる可能性を秘めているのだ。しかし、アベノミクスがはじければ財務相として一蓮托生の責任を問われるのは麻生であり、戦略は成り立たない。結局は安倍が再び病気で倒れる事しかチャンスはない。政治家というのはその狭いチャンスでも“狙う”のだ。なぜならそれが商売だからである。
 一方、石破も頑張るのだ。かねてから石破は派閥の弊害を公言して、改革派を前面に出していたが、最近では「派閥を否定したことなど一度もない」だそうだ。どうもこのご仁は理路整然と前言を翻す癖がある。1月に40人で結成した「無派閥連絡会」も明らかに派閥だが、ようやく最近になって石破自身も派閥と認めた。その戦略は何としてでも参院選挙に勝つことだ。現在の石破の地位は、幹事長として総選挙に勝ったことにあることは間違いない。総裁・谷垣禎一に政調会長を外されて、ここを先途(せんど)とばかりに地方周りを繰り返し、地方組織に基盤を作った。それが総裁選挙でトップの地方票獲得となって現れたのだ。最終的に負けたのは派閥を基盤にしていなかったことだ。その“反省”から無派閥派という派閥を結成したのだ。
 石破は最近周辺に「幹事長として参院選に勝ったら好きなことをやらせて貰う。2年後には安倍さんと同じ歳になるし」と漏らしているという。不気味な発言だ。総選挙と参院選挙に勝った幹事長は何と言っても実力ナンバーワンとなる。こうして「ポスト安倍」にやる気の実力者が二人台頭しつつあるのが自民党内の現状である。それも派閥勢力の上に立っての戦いが始まろうとしているのだが、その他の派閥は軒並み領袖がぱっとしない。老舗の福田派の流れを汲む町村派(82人)は、町村信孝が脳梗塞から復帰したものの勢いがでない。大勢は安倍に流れている。田中派の流れの額賀派(51人)も額賀福志郎がぱっとしない。宏池会・池田派の流れの岸田派(旧古賀派・40人)も外相・岸田文男は修行中でポスト安倍をいきなり狙う態勢にない。二階派(32人)も石原派(15人)も党を牽引する力はない。
 やはり安倍が町村派の大勢と、派閥横断の安倍支持グループ「創生日本」(100人)を背景に、断トツの勢力を維持している。ここで傑作なのは党政治制度改革実行本部(逢沢一郎本部長)がまとめた「脱派閥」の党改革答申。派閥の事務所を党本部に移すのだというが、これでは脱派閥どころか党が派閥の存在を公認することになるではないか。派閥は事務所を持って“コソコソ”やるから面白いのだ。過去に首相・福田赳夫が党本部に「国会議員が派閥事務所ではなく党本部に集まって懇談できるように」とリバティー・クラブと称する部屋をつくって、いまだに存在するが派閥解消には至らなかった。やはり首相・海部俊樹も党本部活用を提案したが実現せずだ。だいいち麻生が人数が増えて狭くなったとして新事務所を作る方向だという。
 派閥政治はカネと大臣ポストという問題で批判の対象となってきたが、情報の共有、新人教育という面で大きな役割を果たしていたのだ。また田中角栄から三木武夫に政権が移ったように、イデオロギー抜きで対立者への“政権交代”を可能にして、自民党は民主党のような希代の大失政政権を作らずに済んできた。自民党は派閥や個人後援会、族議員などを通じて、多様な要求を汲み上げ、時代の変化に柔軟に対応したからこそ、長期政権を維持できたのだ。抗争のための派閥でなく、現在程度のゆるやかな結びつきなら自民党は活気が出て何ら問題はない。目くじらを立てることもない。


★俳句:人買ひのけふは来さうな下萌ゆる
2013年02月27日
◎補正成立はねじれ解消への突破口だ
 まだまだ民主への“引きはがし”が続く
 月面着陸のアームストロング流に言えば「離党の1票は小さな1票だが、日本の政治にとっては大きな飛躍だ」といったところだ。参院選挙を待たずにねじれ解消現象が発生して、補正予算案が成立してしまった。民主党の離党が止まらなくなった結果だ。自民党幹事長・石破茂が「今日を境に歴史が変わっていく」と述べたとおり、ねじれの本格解消への突破口になるだろう。日銀総裁人事や来年度予算審議にも好影響をもたらすことは確実だ。いまこそ決められない政治を第二院が形作ってきた歴史にとどめを刺す時だ。
 自民党は、表向き「おごることなく慎重に野党と調整を進める」(石破)としているが、実態はそんなに甘くない。裏舞台での食うか食われるかの暗闘が続く。言うまでもなくねじれの解消には裏工作と表の正式手続きの二つがある。裏は多数派工作、表は参院選挙勝利だ。自民党はとりあえず裏を先行させたのだ。みんなの党代表・渡辺喜美が悔し紛れに「与党がアメをばらまいて多数派工作をやった結果」と指摘するように、必死の“裏工作”が進展した結果だ。民主党はもはや“水に落ちた犬”となった。たたかれ続けるのだ。
 安倍も「この1票差は『決められない政治』から『決める政治』への大きな第一歩だった」と述べているが、感慨は大きなものがあろう。過去の逆転国会は1989年の参院選後と1998年の参院選後にも発生しているが、本格的に「ねじれ国会」と称され、参院が政治闘争の舞台となったのは2007年の参院選で自民党が惨敗して以来だ。安倍首相の時であり、民主党は小沢を中心に政権交代のチャンスとばかりに攻めまくり、安倍の下痢とノイローゼを誘って退陣させた。続く福田康夫も、麻生太郎もあえない最期をとげ、民主党は政権を獲得した。時代錯誤というか馬鹿の一つ覚えというか、この再現を狙ったのが参院議員会長・輿石東だ。「抵抗野党に戻る」と宣言して、尊敬する生活代表の小沢一郎と組み、虎視眈々と“ねじれ活用”を狙った。補正予算案反対に生活と、目立つことだけが信条でこのところ一段と軽さを増しているみんなの渡辺を引き込み、補正予算の修正案を踏み台にして反対ムードを盛り上げようとした。公共事業の大盤振る舞いを取り上げて輿石は「古い自民党の復活」と追及しようとしたのだ。しかし輿石こそ「古い何でも反対の社会党の復活」そのものであり、誤算は足元から生じた。植松恵美子、川崎稔二人の離党である。さらに岩本司も離党予備軍となっている。参院は民主党が87人、自民党が83人だが、二人の離党でその差は2議席となった。岩本が離党なら1議席となる。自民党の幹事長・溝手顕正が「民主党はさらに流動化する。まだまだ崩れる」と“不気味”な予言をしているとおり、昨年から続く離党減少はとどまるところを知らない。自民党は国会運営を「丁寧にやる」(石破)方針だが、筆者に言わせれば「丁寧に引っぱがす」のが本音だ。
 民主党の国会運営敗北の最大の理由は、安倍がアベノミクスを旗印に、国民の求心力を強め、支持率70%前後を確保、全党的な支持を得ていることであろう。これに対してもともと求心力などない、“人の良い”代表・海江田万里では太刀打ちできない。そればかりか、外れそうなたがを締められないのだ。国民の人気も政治力もある野田佳彦、前原誠司、岡田克也らを、総選挙敗北の“戦犯”扱いして退けてはアピールもしない。海江田は共同通信の世論調査で民主党の支持率が6%にまで落ちたことに「愕然とした」というが、まだまだ“地獄の底”は見えていない。
 こうして通常国会の初戦は自民党の圧勝に終わった。問題は最初のうまさが持続するかどうかだ。次は日銀総裁人事と来年度本予算だが、これも自民党ペースで進む流れだろう。日銀総裁人事は、「黒田東彦総裁」に愚にもつかない理由を挙げて維新の橋下徹と渡辺が反対を表明しているが、民主党内は容認論が広がっている。官房長官・菅義偉が26日、民主党政調会長・桜井充に人事漏洩を陳謝したが、これも“手続き”であろう。維新は橋下が反対しても議員団は賛成のムードが強い。橋下は議員団を「与党ぼけ」と切り捨てるが、維新がいつから与党になったのか。言葉は多いが相変わらず切れ味は方向音痴の発言が多い。維新の国対委員長・小沢鋭仁は「黒田はベスト。橋下さんは政治的な相場観に外れている」と、真っ向から反対する始末。大阪のあんちゃんの中央政治への“相場観”が試されている。この自民党の攻勢は参院選挙まで続く。昨日も書いたように、参院における“正式な”ねじれ解消は、まず夏の参院選で実現する方向が一段と強まった。


★俳句:恋猫の襤褸(ぼろ)のごとくにねむりをり
2013年02月26日
お客様から、規格外りんごの注文が多く来てあります。

保存状態が良いので、美味しいとの事。



2013年02月26日
◎参院選はねじれ解消の公算大
 野党糾合困難、海江田も小沢も出口なし
「船を沈め釜を破る」と中国のことわざで、民主党代表の海江田万里が党大会で党再生への必死の決意を表明した。楚の項羽が秦軍と戦うにあたり船はすべて沈め、釜は壊し3日分の食料のみを持って士卒に必死の覚悟をを示して、秦軍を敗走させた故事に基づく。しかし民主党にその団結は可能か。「抵抗野党に逆戻りせよ」と社会党への先祖返りを主張する輿石東から、自民党と変わらない保守勢力を抱えている「寄り合い所帯」の現状は変わらない。「天の時は地の利に如かす、地の利は人の和に如かず」である。その党内の人の和もままならぬのに、ましてや参院選に向けた野党の大同団結などは絵に描いたもちだ。このままでは自公の過半数達成でねじれは解消することになる。
 民主党が哀れをとどめたのは、党大会に離党を理由に除名した議員らを来賓として招いたことだ。いくら野党の融和が必要だといって、生活の党や日本維新の会の、後ろ足で砂をかけて去っていったような連中に挨拶までさせたのだ。連合会長の古賀伸明が「一緒にあいさつをするのはどうも気味が悪い感じがする」と皮肉ったが、このあたりが正常な神経だろう。そんなことをしても参院選に向けての野党共闘が実現するめどなど全く立っていない。
 ここで何とか野党共闘を実現して、自らを日の当たる場所に再び置きたいのが生活代表の小沢一郎だ。自分も“後ろ足で砂組”にもかかわらず、いけしゃあしゃあと民主党に“指示”するような発言をしている。口を開けば「野党第1党の民主党が野党の大同団結を呼びかけよ」と言っているのだ。小沢の当面の戦略は7月の参院選で自公の過半数獲得阻止にある。阻止して政権を揺さぶり、ことあるごとに政局化して、政権交代を実現するところにある。しかし民主党308議席を達成して意気揚々だった小沢も、いまは衆院議員わずか7議席、衆参でたったの15議席の党首に落ちぶれた。
 にもかかわらず小沢はめげない。めげない理由は過去にも全く同じ状況におかれて盛り返した“実績”があるからだ。93年には新生党を36議席から55議席に、95年には新進党19議席を40議席にそれぞれ躍進させている。確かに野党には参院選に向けて候補者調整をしない限り、再び自公に敗れるという危機感が共通の認識として底流にある。小沢にとってみればこれを“活用”して、政策より数を獲得するのが先だとばかりに、得意の分野に野党をひきづり込もうとしているのだ。これを「政局志向型野合」政治という。
 しかし小沢も自分が前面に出てはできるものもできないことは理解しているようだ。だからかっての子飼いである海江田をして、糾合せしめようとしているのだ。海江田が先に小沢の地元の岩手選挙区で、「当選挙区で小沢一郎さんの協力を仰ぎたい」と発言したことで「しめた。選挙協力のチャンスだ」と思ったに違いない。ところが民主党は新潟と広島で生活に対立候補を立てることになった。小沢にしてみれば一挙に舞台は暗転だ。そもそも小沢の野合戦略は成り立ちにくいのだ。なぜなら自民党はアベノミクスを錦の御旗として、その関連づけの上に日銀人事や環太平洋経済連携協定(TPP)を実現するという巧妙な戦略を描いている。野党も政策を問われており、まだ政権に落ち度がないのに政局化はできないのだ。
 日銀人事にしてみても「黒田東彦総裁」で株高・円安となった現実に棹さすことは、景気好転に水を差すようで難しい。それに、肝心の日本維新の会は共同代表・石原慎太郎が小沢を毛嫌いしている。生活は脱原発、反増税、反TPPだが、これは維新の政策とことごとく反する。小沢自身も「石原さんはどちらかといえば旧体制の自民党に近い立場にいる。そうすると自民党と対立していこうという枠内には入って来れないかもしれない。そうでないグループでやらざるを得ないと思う」と維新との協力は無理との判断に至っている。それではみんなの党はどうか。みんなもTPP推進であり、代表・渡辺喜美は「野合はしない」と言いきっている。
 こう見てくると、小沢がいくら海江田に“指示”をしても、民主党が野党の大同団結に動くことは困難だし、ましてや小沢が主導権を握れる場面はよほどの大失政や不祥事が生じないと来ないだろう。小沢は「3年半後にまた参院選挙があるので、3年半後のダブル選挙というのが常識的に考えるとあり得ることだろうと思う。僕はそれを本当に最後の勝負にしたいと思っております。」と述べて、長期戦の構えも見せ始めた。参院選での野党糾合はよほどの「敵失」がない限り、困難な方向となってきている。3年前に民主党政権が実現したのは自公政権による「敵失」以外の何物でもなかったが、この敵失を民主党も小沢も待つしかないのが実情だ。棚から落ちるぼた餅を当分海江田も小沢も口を開けて待つしかない。

★俳句:何にでもマヨネーズかけ春隣
2013年02月25日
◎「アベノホット」Vs「オバマノクール」;日米首脳会談
オバマの習近平接近が油断できない
 「日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活した」と首相・安倍晋三は高揚して胸を張った。この一言が言いたくて訪米して、日米首脳会談に臨んだに違いない。しかし筆者に言わせれば、この言葉は言わずもがなであった。なぜなら安倍の意気込みばかりが目立って、内外記者会見に同席したオバマは終始クール。そっぽを向いている場面も目立った。オバマの発言も官僚作文棒読みの「日米同盟はアジア太平洋地域にとって中心的な礎だ」。嬉しくも何ともない。当たり前だからだ。これを見たのだろう、中国国営新華社電は「安倍総理大臣はアメリカで『冷たい処遇』を受けた」と報じた。皮相的かつ我田引水的宣伝記事だが、そう見られても無理もない側面がある。
 もちろん、日米の場合首脳会談は晩餐会などは不要だし、これがないから冷たいと報じた民放テレビなどは新華社に勝るとも劣らぬ上っ面報道だ。中国は人民大会堂での豪華な晩餐会で、メシさえ食わせれば良いと思っているようだが、この古い手法こそ飽きられていることに気付かない。実務面では最近になく成果を上げた首脳会談であることは確かだ。しかし、日米双方の発表をみても、オバマの発言はほとんどない。全くないのが尖閣絡みでの対中批判だ。記者団から尖閣問題での感想を求められても、なんらコメントをせず、無視した。会談ではもっぱら安倍が大統領への“報告会”の如くに、あれもしますこれもしますと言いまくった。「集団的自衛権について検討を始めた」「普天間飛行場の辺野古への移転を早期に進める」「自衛隊の予算を増額する」「原発ゼロはゼロベースで見直す」ーと言った具合だ。しかしオバマからの発言は出てこない。
 政府筋は対中関係では「相当突っ込んだやりとりがあった」と述べている。なぜ表に出せないのかと言えば、「機微に渡る他国の話しを出せるわけがない」のだそうだ。恐らく習近平の評価・分析やレーダー照射が習の指示によるものなのかどうか。また、習が武力衝突の意志があるかどうか、軍部を押さえているかどうかなど“機微に渡る”情報交換があったのだろう。場合によっては、オバマが安倍に対して、武力衝突は何としてでも回避するように“クギを刺す”場面があってもおかしくない。
 まるで「アベノホット」に対して「オバマノクール」だ。この“温度差”はなぜ生じたのか。それは極東情勢への認識の差と日本の政権交代に対する思いの“落差”がある。オバマは、基本的には尖閣を巡る日中の武力衝突を全く望んではいない。むしろ日中が激突して、アメリカが日米安保条約を理由に戦争に引き込まれる可能性があることを懸念しているのだ。安保条約は、中国の尖閣占拠などの事態があれば間違いなく発動せざるを得ない。日本を見捨てれば、アメリカの威信は地に落ち、安保条約は破棄に至る。そんな事態に至ることは極力回避したいのだ。
 しかし、対中けん制のためには、日本がかっての日英同盟のイギリスのように“極東の番犬”として存在した方がよい。新華社電が“安倍冷遇”を報じた記事は稚拙だが、中で1行だけ光る分析がある。それは「中日関係を“制御可能な対立状態”にしておくことが米国の最高の利益だ」という部分だ。したがって、オバマは自らの人気維持のためには、かってニクソンがやったように日本頭越しの訪中で新国家主席となった習近平と会談するような構想を描いていてもおかしくない。「オバマノクール」からは、そこまで窺える側面がある。どうも怪しいのだ。
 もう一つの日本の政権交代への思いの“落差”とは、安倍が民主党政権は日米安保関係を毀損したと判断しているのに対して、オバマにその認識が薄いことだ。日本国内にいれば確かに民主党政権は安保体制を毀損していることがひしひしと分かる。その証拠には毀損の間隙を縫うように中国、ロシア、韓国が領土での攻勢を一斉に仕掛けてきている。日米関係がゆるんだと見れば、ハイエナのように隙を窺うのが隣国であり、国際関係である。その現実をオバマは知るよしもない。もともと日本にはそれほどの関心がないから、実感が湧かないのだ。おまけに首相・野田佳彦との関係は悪くはなかった。だから安倍が、政権交代によって毀損された日米関係が「復活した」と最大限の表現をしても、そっぽを向いていたのだ。オバマにしてみれば就任以来入れ代わり立ち代わり5人目の首相だ。いいかげんうんざりしたと思っても、それは大統領としておくびにも出すべきではないが、ちらりと出してしまった感がある。
 加えて外相・岸田文男が新国務相・ケリーとの会談でわざわざ1月にクリントンが尖閣問題で「日本の施政権を害そうとする、いかなる一方的な行為にも反対する」と表明したことに“謝意”を示したのはなぜか。明らかに、上院議員時代から親中国路線を取っているケリーに“ダメ押しの牽制球”を投げざるを得なかったことを意味する。要するに、ケリーが米中融和と関係発展路線を取ることが目に見えているからだ。
 焦点のTPPは筆者の予想がピタリと当たった。合い言葉の「ネゴシエート」「センシティブ」「オン・ザ・テーブル」は、すべて日本語訳で「交渉を先行」「重要品目がある事を確認」「全ての品目を交渉のテーブルに乗せる」と書いたとおりとなった。異例の共同声明まで出したが、これは2011年の野田・オバマ会談で普天間移設問題で「言った」「言わない」の食い違いが生じたことに懲りた結果だろう。共同声明を出して“錦の御旗”を掲げなければ安倍の党内説得と国会乗り切りは危うくなる。それにしても民主党政権時代の外務官僚はサボタージュだったのだろうか。手のひらを返したように官僚組織が働いた。政治家と官僚のコラボレーションの結果が共同声明となってTPPを動かすことになった。民主党の“政治主導”をいかに官僚が嫌っていたかを物語るものだ。


★俳句:狐火や耳成山のその闇に
2013年02月23日
昨日、昼神温泉、清風苑に行ってきました。

子供の学校が終わった後に、
高速を2区間乗り、下道で15分で、
昼神温泉があります。

南信州でとても、有名な所です。
地元の温泉でゆっくり過ごしてきましたー。



お食事も美味しく頂き、、家族風呂を堪能し、
ゆっくり過ごさせて頂きました。



皆さんも癒楽の宿、清風苑に足を運んでください。
いい所です。

チェックアウト後、レトロなコーヒー屋を発見。




癒楽の宿、清風苑、
良い所です。




2013年02月22日
◎野田の解散判断は真っ当だった
“失敗の連鎖”は「鳩・菅・小」だ
 「バカの知恵は後から出る」というが、24日の党大会で決める民主党の党改革創生案なるものを読んで情けなくなった。このような党に3年3カ月余りも国政を委ねてきたことに慄然とせざるを得ない。総選挙惨敗の理由を「トップによる失敗の連鎖が期待はずれの政権というイメージを与え続けたため」と、全てを自分たちが選んだ党首の責任にしてしまった。野田佳彦の名前こそ挙げなかったが、野田の解散の判断がすべての原因だと言わんばかりの総括である。これではいまだに離党者が続出しているのもうなずける。
 確かに「失敗の連鎖」はあった。しかしそれは鳩山由紀夫と小沢一郎、菅直人につながる連鎖であって、野田になってその連鎖は断ち切られた。あえて党代表として責任を負うべき比率を言えば鳩山が70%、菅が30%とみる。野田になって、はちゃめちゃの民主党政権が、ようやく“普通の首相による普通の政権”に戻ったのだ。鳩山はその暗愚さが未だに後を引いている。「トラストミー」とブッシュをだまし、「最低でも県外」と沖縄住民をだまし、悪いのはそのだましたことをいまだに理解できないでいることだ。元首相といえば日本の“顔”となるが、その顔が恥の上塗りを重ねている。イランに行って利用され、中国に行って「尖閣は係争地」発言で利用される。あの紳士的な防衛相・小野寺五典が「国賊」と最大級の表現を使って非難するのも無理からぬ事である。
 それでも本人は自分の愚かさに気付いていない。20日には沖縄で、「普天間の海外移転が実現しなかったのは、米国の意向を忖度(そんたく)する外務省と防衛省のせいだ」と宣うた。これは各省の上に立つ首相たるものの心得すら理解していないことを物語る。
鳩山は国中から馬鹿にされた首相であったが、菅は憎まれた首相であった。その発言が憎々しげであるからだけではない。3・11で生じた原子炉事故対策を指導せずに、“介入”して悪化させてしまった。危機の時の指導者の有りようを全く理解していなかったのだ。
 この鳩山ー菅とつながる連鎖に、もう1人ぶら下がっていたのが小沢一郎だ。この人物ほど「盛者必衰」を物語る例は珍しい。選挙圧勝後は小沢ガールズを議員会館の自分の階に集めて悦に入り、まるで大奥の様相を呈していたものだ。いまは尾羽うち枯らして、回りに集まる政治家はほとんどいない。マニフェストに必要な16兆8千億円の財源を「政権を取ればいくらでも出てくる」と、大法螺(ほら)を吹いたがすぐに馬脚が現れた。いまやマニフェストという言葉すら「不愉快」の代名詞として国民の間に定着したのだ。
 その小沢が今になって野田の解散判断に疑問を呈している。「二百何十人も殺したのに、『これでよかった』と言うのは信じられない。どういう精神構造をしているのか」と批判。野田の解散の意図についても「自民党も過半数に届かないだろう。自分らもほどほど生き残れば連立を組めるという打算だ。自民党と結ぶことを前提にして政治行動をするというのは、本当にむちゃくちゃで、邪な考え方だ。でも、そうとしか解釈できない。」と分析。野田が選挙後の自民党との連立を意図していたと断じている。
 この小沢の判断は、数だけが信条で生きてきた政治家ならぬ政治屋の判断であろう。それでは小沢が主張し、腹心の幹事長・輿石東にも言わせた衆参同日選挙で勝てたかと言うことだが、党内抗争を繰り返し、まるで政党の体をなしていない民主党政権である。衆参同日選挙をやれば民主党と維新や他の野党との共食いはさらに拡大、民主党は衆参双方で大惨敗の連動を引き起こしただろう。前原誠司が参院選の見通しについて最近「おそらく自公が勝ち、3年間ねじれのない政権になる。民主党は10議席を上回るぐらいしか取れない」と発言しているとおり、冷静に見ればいつ解散をやっても民主党は敗退する運命にあったのだ。あと半年も民主党政権の体たらくを見せつけられたら、国民の不満は衆参両院選挙に向けて爆発していたのだ。
 首相という立場は、時には自分の支持基盤である政党の利害すら
超越した判断を下さなければならなくなるときがある。その判断ができるのは政治家であって政治屋ではない。小沢が「なんで解散をしたのか今もって分からない」と述べているのは、本当の大局を読めないからに過ぎない。筆者はかねてから「解散は政治の総合芸術」と書いてきたが、野田の解散ほど困難で錯綜していた例を知らない。マスコミや評論家たちが軒並み読み間違え、任期満了選挙説を唱えるものまでいたことからもうなずける。野田の判断は大局を見れば決して間違っていなかったと断言できる。
 野田は、自らの政党のありさまを目の当たりにして、この政党では国が持たないという判断に立ち至ったのだ。加えて1内閣1課題で消費税増税も達成した。解散は政党間の公約でもあり、大局から見れば果たさざるを得ないと決断したのだ。そして野田の判断は、結果として正しかった。なぜなら自民党政権が、ようやく3年3か月の政治の泥沼から抜け出せるという希望をこの国に与えているからだ。野田は明らかに連立よりも自民党へのバトンタッチを意識して解散を断行したのだ。民主党の大敗は一にかかって欺瞞のマニフェストと、これを取り繕おうとした鳩山、管、小沢の目指した「衆愚の政治」にあるのだ。

俳句:その刹那初蝶猫を躱しけり
2013年02月21日
当園の自慢のりんごと人参のすりおろしミックスジュースが
出来上がりました。

りんごは、当園のサンふじ70%
人参は、愛知県産30%使用しております。

本数限定です。

2013年02月21日
◎日米安保は片務性から双務性へ大きく転換:首脳会談
 安倍は集団的自衛権行使に言及へ
 北朝鮮によるミサイル・核実験の実施、中国の海洋進出と激動する極東情勢の中で行われる日米首脳会談は、米ソ冷戦時代の会談に匹敵する緊迫性を帯びる様相を見せている。日本にとってとりわけ重要なのは、日米安保条約の片務性が集団的自衛権の行使などによって双務性へと大きく変質を迫られていることだ。この安保体制の変質と再構築は日米双方にとって不可避なものとなるだろう。こうした枠組みの中で日米両首脳はTPP(環太平洋経済連携協定)など摩擦要因を際立たせることは避け、同盟重視の方針を打ち出さざるを得ない情勢となっている。
 一口に日米安保体制の再構築といっても、首相・安倍晋三と大統領・オバマが、民主党政権が毀損させた体制の原状回復をすればよいということにとどまるわけにはいくまい。北朝鮮と中国による“攻勢”がそれを許さなくなってきており、“極東冷戦”の構図が紛れもなく反映される。中国艦船による自衛隊へのレーダー照射、北による飛距離を米国にまで伸ばしたミサイル実験と核小型化の成功は、アメリカにのみ防衛義務を課した日米安保条約第5条解釈の片務性の修正を迫られる事態を招いているからだ。その象徴的なものが米国に向かう北のミサイルを撃墜させる集団的自衛権の行使と、自衛隊による敵地先制攻撃能力の確立だ。
 いずれの問題も、安倍政権が前向きに対応しようとしており、安倍はオバマに対してその方向性を説明することになろう。この結果首脳会談を契機に、日米安保体制は片務性から双務性へと大きく舵を切る性格を帯びることになる。米国にとっても沖縄から尖閣諸島、フィリピンへとつながる第一列島線で中国を封じ込める戦略は、維持せざるを得ない状況にあり、これは日本の安保上の利害関係とも全く一致する。したがってオバマは、尖閣諸島への安保条約適用という米政府の基本方針を改めて表明すると同時に、安倍に対して偶発的な衝突は極力回避するよう求めることになろう。また北に対する制裁措置は国連安保理決議に向けて双方が努力することを確認すると同時に、安保理で有効な決議が採択されない場合には日米韓を中心にヨーロッパなども巻き込んで、金融制裁など独自制裁に踏み切る方針も確認することになろう。さらに外交筋によると「公表するかどうかは分からない」が、安倍は、日米合意に基づき米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた決意を伝える意向のようだ。
 こうした大きな流れの中で、具体的な政策が位置づけられていくことになるが、その焦点は日本の原発政策の転換とTPPだ。安倍は、民主党政権が愚かにも打ち出した、30年代原発ゼロの方針を撤回する意向を表明する。米政府の最大の懸念は、原発ゼロでは日本に原発開発を委ねてきた基本政策が崩れることにある。原発ゼロは原子力開発技術の維持向上を放棄することを意味し、安保上も極めて重要な意味を持つ日米原子力協定の崩壊につながるからだ。昨年9月8日の会談で国務長官・クリントンは首相・野田佳彦に対して原発ゼロ政策への強い懸念を表明している。野田はうやむやにしてきたが、青森県六ヶ所村の再処理工場の建設推進は、米国がもっとも期待する課題の1つである。安倍は安全が確保された原発の再稼働と、核燃料サイクルの推進をオバマに公約することになるだろう。
 TPPについて安倍は、米国の参加要請と国内の反対運動の高まりのはざまで、厳しい選択を強いられることになる。しかし、官邸筋は「流れとしては安倍とオバマがトップ同士で激論を戦わせるという場面は最悪でもありえない」と漏らしている。つまり、両国事務当局間で事前に煮詰めないままトップの“折衝”で物事を決めるような“愚策”は、両国とも避けたい考えであるからだ。おまけに極東情勢は緊迫しており、通商面での亀裂の露呈は安全保障問題にも影響を及ぼしかねない。
 従って両首脳はTPPで日本の交渉参加への道筋をつけることを優先させるものとみられる。たとえ全ての品目を交渉のテーブルに乗せることになっても、それに関税を課すかどうかは交渉を先行させた上で判断することになりそうだ。日本のコメや米国の砂糖を意識して、重要品目がある事を確認する様な方策が検討されているようである。米通商代表のロン・カークが特定分野の保護を前提にした交渉を否定しながらも、コメなどへの特例が設けられることを「排除しない」と述べているあたりが、落としどころだろう。したがって安倍は、首脳会談を踏まえて、帰国後にTPP参加への決定を判断できることになるだろう。


★俳画:湯湯婆(ゆたんぽ)と書けば笑へるなあ婆さん。読売俳壇一席
2013年02月20日
今日は、久しぶりのいい天気。
でも近年にない、雪の多さと、
気温の低温には、長野育ちの僕にも
体がついていきません。





朝の気温は、-4度。寒いです。

少し暖かくなったら、りんごの剪定作業に行きます。





ゆざわのアップルワイン、
現在ワイナリーにて、順調に熟成中です。








2013年02月20日
◎川柳を読めば本筋見えてくる
 例によって最近の朝日川柳とよみうり時事川柳で、今の政治と外交を見てみよう。
【支持率】政権発足早々には朝日に<支持率のカウントダウンが始まった>と揶揄(やゆ)された安倍内閣支持率だが、奇妙なことに2回目や3回目の調査は軒並み上昇している。最初の“ご祝儀相場”が徐々に減少してゆく歴代政権と比べても異例だ。読売が71%と大台に乗れば、朝日は59%から3ポイント上昇の62% 。時事は7.4ポイント増の61.4%といった具合だ。朝日川柳は“読み”を完全に間違えた。川柳だからいいものの、政治部長だったらクビだ。各紙の分析は経済政策「アベノミクス」が評価されたというものが多い。確かに株価は上がるし、円相場は下がるし、前政権の“暗くて陰鬱”な 3年3ヶ月を吹き飛ばすような勢いだ。やはりもちはもち屋で、老舗の政党は勘所を押さえている。しかし各紙の分析は肝心のポイントを外している。支持率上昇は、中国の尖閣強硬姿勢と北朝鮮のミサイル・核実験が大きく寄与している。首相・安倍晋三の毅然とした右寄り姿勢が評価されているのだ。
 安倍も<支持率に安倍のみクスリ笑う春>(朝)と駄じゃれを飛ばされて、まんざらでもあるまい。しかしアベノミクスの本質はまだまだバブルの色彩が濃厚。きっかけがあれば相場を押し上げている外人投資家らが、さっさと引き揚げる可能性も除去できない。支持率を7月の参院選まで持たせられるかどうかが、安倍にとっての最大の関心事だ。そこで読売川柳子からは<参院選今やれぬのが惜しい率>と見事にその心を読まれた。
【アベノミクス】
 アベノミクスのとばっちりを受けたのが日銀総裁・白川方明。泣く泣く4月の任期切れを待たずに辞任を表明したが、低迷するデフレに打つ手なしで、手をこまねいていたのだから同情する者はいない。安倍は<日銀と相合い傘で行く闇路>(朝)で、誰もやったことのない未知の領域に突入する。とにかく<大本営発表に似るアベノミクス>(朝)と言われようが、いまは行け行けどんどんしかない。日銀は、言うことを聞かなければ「日銀法を改正するぞ」と脅かされているわけだから、後任総裁も「長い物には巻かれろ」と腹をくくるしかない。来週中に人事が決まるが、まさに<ままならぬものを引き継ぐ後白川>(朝)となるわけだ。それにしても13兆円の補正予算を成立させるのは良いが、年度内に使い場所があるのだろうか。手っ取り早く公共事業をどんどん進めて<美しい日本よく見りゃコンクリ製>(朝)ということか。中央高速のトンネル事故もフルに活用して、全国規模で老朽化した公共事業の補修に取りかかる。だから年寄りからは<どうしてくれる我々の老朽化>(朝)というぼやきも出てくる。
【麻生】ネットでウケのいい財務相・麻生太郎だが、G20に行く際の出で立ちにやんやの喝采だ。1977年にベストドレッサー賞を受賞しただけあって黒のソフトに黒のコート。マフラーは水色というスタイルは粋。並み居る首脳の中でも際だった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルからは「ギャング・スタイル」とからかわれたが、日本の川柳も負けてはいない。<SPが囲む組長見りゃ大臣>(朝)だそうだ。
【照射】「隣りに嫌な人が住んでいても引っ越すわけにはいかない」とぼやいたのは、首相・大平正芳。その頃はソ連を指したが、今は中国。なにしろ街を歩いていると、肩からぶつかってくるような連中が人民解放軍だ。レーダー照射などという危ないことを繰り返す。すれ違いに刀のさやが当たることを“さや当て”というが、昔の武士なら段平を抜いて大げんかだ。ところが自衛隊は我慢の子。
さすがに在日米軍司令官のサム・アンジェレラは、百戦錬磨とみえて的確なコメントをしている。自衛隊側の動きを「プロの対応だ。レーダー照射の仕返しなどしておらず、挑発的ではない」などと評価した。
中国軍レーダーというガン飛ばす(読)
縄張りを狙うヤクザがガン飛ばす(朝)
 何もかも発端は石原慎太郎の「東京都による尖閣購入」発言にあるが、本人は反省どころか<元凶の暴走老人知らぬ顔>だ。
【核実験】やはり隣りの隣りに住んでいる刈り上げ頭の兄ちゃんにも困ったものだ。海外留学の経験もあるから前2代の「偉大なる将軍様」よりはましかと思ったが、これがとんでもない食わせ者。中国の国際情報紙「環球時報」までから「もし核を持つことが真の安全だとするなら、それは幼稚な考えだ」とこき下ろされた。確かに「幼稚」の一言に尽きる。日本の新聞も負けてはいない。読売が<迷惑は隣のガキの花火好き>と噛みついた。ヒットラーにせよチャウシェスクにせよカダフィーにせよ独裁者の末路は知れている。どんどん建造しているご先祖様の金ぴかの銅像の列に入れるかどうかもあやしい。ろくろく食べるものもなく、あえいでいる民衆の力を馬鹿にしてはいけない。いつまでも<爪に火を灯して地下で核をこね>(読)などとやっていられるわけがない。世界中から<ミサイルと核でくわえる高楊枝>(読)と足元を見すかれているのだ。銅像はいつかはひっくり返る。今朝の朝日川柳が<大器かと待てど暮らせど小器なり>と自分の愚息を詠んでいるが、ピタリ当てはまる。

★俳句:雪降れば馬の目濡らす一茶の忌
2013年02月19日
全国のお客様から、色うす、規格外りんごの、
ご注文があります。

昨年度のりんごですが、まだまだ甘く美味しいです。
僕も毎日食べております。

大変お買い得で販売中でーーーーす。



ワインもあります。
2013年02月19日
◎北制裁の潮流に中国の孤立化目立つ
 日米韓独自制裁の動き強まる
 3回目の核実験をした北朝鮮に対して国際社会が一致した制裁措置をとれるかどうかは、中国の出方にかかっているのが実情だ。その中国は煮え切らない姿勢をとり続けているが、米国を中心とする周辺国への制裁への協調呼びかけは進展しており、ある意味で中国が“孤立の危機”に瀕しているとも言える。
 外交筋によると裏舞台における焦点の一つは、中国が「拡散に関する安全保障構想」(PSI)に参加するかどうかにあるという。大量破壊兵器、ミサイル及びそれらの関連物資の拡散を阻止するために、事実上の海上封鎖をしようというもので、これに中国が参加し金融制裁と並行して実行されれば、かってない効果をもたらすものとみられる。しかし国営新華社通信は「北の核実験は米国に向けられたものである。米国、韓国、日本は政策が失敗したのであり反省すべきだ」と、かってなく厳しい中国政府の姿勢を露呈させており、参加は容易ではあるまい。
 一方、共産党総書記・習近平は「北京人」であり、その共通の特性は1にも2にもメンツを大事にすることにあるといわれる。そのメンツに泥を塗ったのが北による第3回核実験だ。しかし国連安保理における中国の出方を見れば、北非難の報道声明に際して、強制力を持つ国連憲章第7章への言及を拒否するなど、これまで同様の北擁護の姿勢を見せている。中国外務省の副報道官・洪磊は記者会見でも制裁強化の質問には一切答えないというありさまだ。せいぜい中国共産党機関紙「人民日報」系の国際情報紙「環球時報」が16日付の社説で「中国とつきあう上での譲れない一線を北朝鮮に分からせる必要がある」と、習近平の苛立ちを代弁している程度である。
 米国は大統領・オバマが一般教書演説で「断固とした行動にこたえる」と発言した通り、新任の国務長官・ケリーが中心となって制裁への動きを加速させている。17日ケリーは就任して以来初めてロシアの外相・ラブロフと電話で会談、両外相は「挑発行為に対し、国連安保理で迅速な措置を打ち出すことを目指し、緊密に連携していく」という立場で一致した。もちろん、日本や韓国とは調整済みであり、ケリーは周辺各国を固めた上で、中国への本格的な働きかけを強めるものとみられる。
 その焦点は金融制裁とPSIにあるとみられる。いずれも実効性を持たせるには中国の協力が欠かせない措置である。 米国が独自の金融制裁に踏み切ったとしても、カネの流れを完全に遮断するには、北朝鮮との金融取引の関係が深い中国の協力が必要だ。しかし銀行取引禁止は、米国がミサイル発射を受けて安保理決議に盛り込もうとしたが、中国の反対で断念している。
 もっとも北に対する中国の“憤まん”は、何らかの行動として意志表示せざるを得ない側面もある。習近平はその外交の基軸を対米関係重視に置いていると言われ、国家主席への就任を控えて最初から米国と対立するような姿勢は避けたいのが本音であろう。政府筋によると、PSIによる海上封鎖は米国が検討している安保理決議への挿入案の一つとなっており、中国の対応が注目されているという。自民党の元防衛相・小池百合子はテレビで「中国はPSIぐらいには応じるのではないか」との見通しを述べている。かねてから北朝鮮は武器密輸に大連港などを中国の港を頻繁に利用しており、中国側も黙認している。いくら国連で決議しても“ダダ漏れ”状態なのであり、中国の協力がなければ海上封鎖も“ぬかにくぎ”なのである。
安保理決議に中国が賛成しないまでも棄権するだけでも効果は生ずるとみられる。
 米国は安保理決議のが実現しようとしまいと、独自の制裁として9.11テロを契機に制定された「愛国者法」を発動して、金融制裁を断行。またPSIを軸として海上封鎖に乗り出す可能性が大きい。首相・安倍晋三は、こうした中で22日にオバマと会談することになるが、国連決議と独自制裁の二段構えによる米国の方針に同調することになるだろう。中国を巻き込むことができなければ、事態は日米韓を中心に独自制裁に向けて動き出すことになるだろう。日本は北に対する制裁と同時に、尖閣諸島をめぐって中国と緊迫した関係にあり、首脳会談の基調は、かってなく対中けん制をにらんだ日米安保体制の強化・再構築に置かれるものとみられる。


★俳句=嫁が君天井裏の自由かな
2013年02月18日
◎安倍のTPP参加表明は不可避だ:日米首脳会談
 交渉なくして主張はできない
 22日の日米首脳会談に向けて自民党の環太平洋経済連携協定(TPP)慎重派が気勢をあげているが、その実態はといえば進退が極まりつつある。なぜなら自民党は「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対する」との方針を公約として主張してきたが、交渉の現実は「聖域のある関税撤廃」の流れとなっているからだ。したがって交渉参加そのものに反対をしつづけても根拠が薄れている。今世界中に自由貿易協定(FTA)や、より幅広い経済連携協定(EPA)締結への潮流が沸きたっており、関税撤廃は歴史的な必然性を帯びてきている。その中で通商国家日本の“孤立”はあり得ない。農協を中心とする反対勢力は、もはや条件闘争しか道は残されていないことを自覚すべきであろう。
 首相・安倍晋三の基本的な姿勢はオバマが“聖域”を認めるかどうかを見極めたいという点にある。政府筋によると「その真意を探るための裏での接触が現在日米間に進行中である」という。その内容は、極秘中の極秘であろうから、知る由もない。しかし米国の実際の行動から見れば「聖域なき」は既に破綻しているのである。オーストラリアとのFTAで、米国は砂糖などの輸入関税を残すことで合意している。また北米自由貿易協定(NAFTA)ではカナダの乳製品が関税撤廃品目から除外されている。このように米国は、1部品目の除外を認めざるを得なくなる交渉を既に展開しているのである。日本のコメなども例外になり得るのだ。
 にもかかわらず自民党内には衆参両院の200人もの議員らが「交渉断固反対」を唱えているが、すべては衆院選挙に当たって農業団体に“固い約束”を強いられた結果である。しかし考えても見るがよい。日本の農業従事者の平均年齢は66歳に達している。 10年後には76歳になるという現実をどう見極めるのか。政府は、戦後の産業構造が大きく変化する中で農業を守りに守り抜いてきたが、逆に守れば守るほど衰退するというのが現状だ。ウルグアイ・ラウンドでコメ農家を守るために6兆円もの血税をばらまいたが、その結果は惨憺たるものであったではないか。みんなの党の幹事長・江田憲司が「コメに778%の関税をかけても、ウルグアイ・ラウンドで血税をばらまいても、岩手県分の農地が失われて埼玉県分の耕作放棄地が出てきた。」と述べる現実を直視しなければならない時に至ったのだ。戦後我が国の政治を大きく動かしてきた農協の命運も高齢化で限界に向かいつつあるというのが実態だ。
 国会議員は目先の選挙だけに目を向けず世界的な潮流を見極めるべきである。米国と欧州連合(EU)はFTAに向けての交渉を6月から開始する。場合によっては、世界の貿易ルール作りで米欧が主導権を握る可能性すら出てきている。これにより関税撤廃の動きは地球規模で進展していく流れとなっている。日本だけがこの潮流に棹さして生きていけるのかということである。言うまでもなく日本は人材と技術を生かす工業・貿易立国で生きていくしかない。「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の世代を考える」とはその昔米国の上院議員が口にした言葉だが、その選挙すら農村票に依存しているだけでは、成り立っていかないのである。農家の高齢者だけをあてにして、その子弟の都市型産業従事者の票を無視する選挙が成り立たないのは、目に見えて来ている。自民党が都市部において総選挙に圧勝したのは“ノーキョー票”によるものではない。
 誰の目にも明らかであるのは、現状のままでは農業は従事者の超高齢化により衰退する方が、関税撤廃で衰退するより確実で、しかも早くなるということだ。ここは企業の農業参入への道を広げ、コメなどを輸出産業へと育成することである。構造を抜本から改革することなしに、再びつかみ金をばら撒いて農家を説得するという構図をTPP慎重派が描いているとすれば、これは国家の将来に大きな禍根を残すだけであろう。
 したがって交渉への参加すら否定する自民党議員らの主張は、既に成り立たなくなっているのである。安倍は日米首脳会談を絶好の機会として捉え、少なくとも「交渉への参加」は表明すべきである。参加をして20を超える交渉分野一つ一つで利害得失を見極め、日本の主張を堂々と展開していくべきである。重要な着目点は、参画国第2位の経済大国である日本抜きで“環太平洋の経済連携”とはなり得ないことである。当然世界経済への責任もあるが、譲れないものはどこの国もゆずれない。参加すら否定してはその主張は誰にも届かないし、情報も入ってこない。


★俳句:母猫に似たる子がまず貰われて
2013年02月15日



又、雪。

仕事が進みません。
2013年02月15日
◎最近気になる政界三題噺
 「馬糞」と「大錯誤」と「雪解け」と
 最近気になる政治の動きは「馬糞の川流れ」と「時代大錯誤」と「日韓雪解け」だ。個別に解析してみる。
【馬糞の川流れ】
 馬糞が川に流されるとバラバラになって、なかなか1つに戻る事は出来ない。これを称して「馬糞の川流れ」という。自民党副総裁の金丸信が派閥について言った言葉だが、今の民主党がそっくりだ。その馬糞が、馬糞にすり寄るという現象が起きた。代表・海江田万里が予想通り生活の党代表・小沢一郎に大接近しているのだ。海江田は11日小沢の地元盛岡市で記者団に「小沢氏には平野氏の当選に向けてお力添えをお願いしたい」と語ったのだ。前復興相・平野達男の参院選3選に向け、岩手を地盤とする小沢の選挙協力を求める考えを示した。
 かねてから小沢と海江田の仲は極めて親しい。小沢は11年の代表選挙では海江田を応援しているし、衆院選後の首相指名選挙でも参議院での生活の党の投票先を海江田一本に絞った。小沢は新年から自公政権に対抗するため野党の一本化を提唱しているが、実態は笛吹けど踊らずだ。日本維新の会もみんなの党も総スカンである。民主党内も小沢に対する感情はバラバラだ。旧社会党系の前幹事長・輿石東は小沢と一緒にやりたがっているが、同じ社会党系でも菅直人は首相時代に“小沢潰し”に専念しており、とても一緒にやっていける雰囲気には無い。前首相・野田佳彦や前原誠司ら松下政経塾系は、小沢復帰と聞いただけでアレルギーが生じる。肝心の幹事長の細野豪志も、とても受け入れる姿勢では無い。 
 こうした中で生じたのが“ 輿石の乱”だ。輿石は公正取引委員会の委員長の人事案を巡って、事前報道を理由に、拒否する考えを表明。今後日銀総裁人事など国会承認人事案件の処理に混迷を来すと予想された。さすがに「何でも反対野党」への転落を危惧する執行部の巻き返しで“平定”される結果となった。しかし、小沢にとっての生きる道は民主党の復帰か民主党に手を入れて分裂、再編を促すかしかあるまい。人の良い海江田は小沢にとって、もってこいのターゲットなのだ。「お力添えを」と擦り寄ってくる海江田を利用して、まずは参院選の選挙協力を手始めに、陰に陽に働きかけて行くのだろう。しかし馬糞の大同団結はない。
【時代大錯誤の石原質問】
 80歳の婆さん芸者の流し目のようで薄気味悪かったのが12日に行われた日本維新の会共同代表・石原慎太郎の代表質問。「浦島太郎のように戻った暴走老人。この質問は国民への遺言だ」と宣うて、質問でなく持論を展開したのは予想通りだったが、首相・安倍晋三へのすり寄り姿勢が鮮明に出た。与党質問でよく自分の意見を述べまくるる議員がいるが、これは首相を休ませるためのごますり質問だ。それとそっくりだった。加えて焦点の靖国参拝問題で「首相は参拝に行かなくて良い」と表明した。これは明らかに安倍を窮地に陥らせないための配慮である。もともと安倍は首相在任中に靖国参拝をして、対中、対韓関係をぶち壊したくないのが本音だ。だから自民党総裁就任直後の昨年10月、秋季例大祭に合わせて慌てて参拝を済ませたのだ。春季例大祭にはまず参拝をしない。
それとは逆に石原はなんと天皇陛下の参拝を要求した。「天皇陛下は国民の象徴というだけでなく、祭祀(神道)を司っている。むしろ天皇陛下に靖国神社参拝して欲しい」と述べたのだ。これは天皇の意思などは全く無視した要求だ。昭和天皇が靖国参拝を中止したのはA級戦犯が合祀されたことが理由であり、今上天皇も受け継いでいるのだ。それを無視する発言は不遜極まりない暴言であり、まるで傍若無人の「石原天皇」による今上天皇への“指示”としか言いようのない発言だった。思い上がるのもいい加減にせよと言いたい。
 加えて石原は自らが中国を「シナ」と呼ぶことについて「中国は山口県、岡山県、広島県のことを言う。シナはシナで良いじゃないか」と愚にもつかない理屈を並べ立てて正当化しようとした。しかしこれは世代の変化を巧みに利用した欺瞞と詭弁に過ぎない。戦前「シナ」の呼称は明らかに中国を蔑視した表現であった。日本人は優越感を持って「シナ人」と呼んでいたのだ。それを知りながら、そして自らも蔑視の意味も込めながら「シナ」と呼び、その呼称の正当性を理屈づけるのは、男の風上にも置けぬ卑怯な言動である。
【日韓雪解け】
 何やら日韓関係が、北朝鮮の原爆実験を契機に雪解けムードを呈し始めている。安倍は大統領・李明博と電話で約20分間協議し、国連安全保障理事会での新たな制裁決議に向けて両国が連携していくことで一致した。国内の汚職捜査の手が自らの親族に及びそうな状況から、国民の目をそらすために行った昨年9月の李による竹島上陸後、日韓両国の首脳が正式に協議するのは初めてだ。しかし安倍は基本的には李を相手にしていない。25日に大統領に就任する朴槿恵への大接近を展開しようとしている。韓国政府は通常大統領就任式典には各国大使を招いているが、安倍は副総理・麻生太郎を特使として派遣することを考慮している。外相・岸田文雄も同行させる予定だ。これに加えて元首相・森喜朗も出席する。こうした積み上げを経て安倍は就任間もない朴槿恵と早期に会談し、李のぶち壊した日韓関係を正常な軌道に乗せようとしているようにみえる。

★俳句=明日あれば食後のみかん食べるかな。産経俳壇1席。
2013年02月14日
りんごの剪定作業中



今日は、この古木のりんご木です。



剪定前



剪定後

すっきりしました。
2013年02月14日
◎日米欧軸に北への金融制裁推進
国連は習近平の“踏絵”の場
 北朝鮮の暴走に対する国際社会の潮流は、国連を舞台に展開される流れと、米国、日本、韓国を中心に西欧諸国を巻き込んだ流れに大別される。最大の焦点である北に対する金融制裁や海上封鎖は恐らく中国が反対して国連安保理決議では全会一致で可決される方向になく、米国を中心に実行段階に移行させるしかあるまい。中東情勢にかかりっきりの米国は金融制裁に前向きであるものの、“本腰”を入れるかどうか微妙だ。そこで最大の焦点となるのが、来週末の首相・安倍晋三とオバマとの日米首脳会談と、これに先立つ14日朝の電話会談となろう。
 遅くても5年後、早ければ3年以内に北は小型化した核弾頭をミサイルに搭載する技術を獲得することになり、事態は新しいステージに入った。まさに“狂人に刃物”の状態が現実のものとなる。これまで国際社会は、北を思いとどまらせるため様々な手段を講じてきた。北を含めた6者協議では2005年に包括的合意に達したものの、北は06年に核実験。 07年にやはり合意したが09年に核実験。要するに国際社会は北が核ミサイルを製造するための時間稼ぎの場を与えただけということになる。
 とりわけ米国は騙され続けている。北が核施設を自ら爆破したのを喜んで援助を送り続け失敗した。金融制裁措置でブッシュ政権は北の息の根を止めつつあったものの、日本等の反対を押しきって08年に制裁措置を解除してしまった。要するに腰が定まっていないのである。しかし北の大陸間弾道弾がサンフランシスコに到達するとあっては対応を変えざるを得ない。オバマは一般教書演説の中で北を「脅威」と位置づけたのだ。「北は孤立化を深めるだけだ。我々は同盟国とともに我が国のミサイル防衛を強化し、この脅威に対して断固とした行動をとる」と発言したのである。ようやく米国も事態の深刻さが分かってきたことになる。
 米国の基本戦略は、極めて効果の高い金融制裁に焦点が当てられつつある。北への金の流れを遮断するのだから制裁措置の中では最大の効果が期待されるものだ。これに加えて北朝鮮の船を臨検する事実上の海上封鎖も検討されている米国はこれらの措置を軍事的強制力の伴う国連憲章7章と連動する形で実現するため安保理内部の調整をする方向のようだ。ところが中国は「北の政権崩壊ー大量難民の流入ー北東アジア情勢の激変」につながるような事態は一切回避する方針である。中国は北のミサイルに対する安保理決議に際しては「核実験をすれば重大な行動をとる」とする内容を認めた上で賛成票を投じた。しかし核実験後の安保理では国連憲章第7章との連動を拒否している。米国はこうした中国と水面下での接触を続けている。
 しかし中国は核実験後は北を窮地に追い詰めるような決議には賛成しないものとみられる。おそらく金融制裁措置や臨検には反対するものとみられる。したがって国連決議において実効性のある措置がとられる可能性は少ないのであろう。しかし日米韓が結束して中国に制裁を迫る事は、外交的にはかなり重要な意味を持つ。国家主席就任前の習近平にとっては、国際社会への“踏み絵”となる性格のものであるからだ。したがって国連安保理の場は、中国をギリギリまで追い詰めて妥協を引き出す試金石となる性格のものと位置づけられる。
 こうした情勢からみて金融制裁は、結局日米韓を中心に西欧諸国を引き込んで金融制裁に踏み切るしかあるまい。安倍はオバマに対して「金融制裁を働きかけたい」としており、早ければ14日の電話会談でもこれを話し合う可能性がある。いずれにしても安倍にとってはワシントンでの日米首脳会談が時期的に絶好のチャンスとして位置づけられるものとなった。
 安倍は、本腰を入れているかどうかまだわからないオバマをなんとしてでも説得し、北の封じ込めを実現しなければなるまい。金融制裁はもちろん臨検についても合意を目指す必要がある。臨検については明らかにテロ輸出国家になりかねない北朝鮮のイラン、パキスタンやテロリストとの接触、核輸出を阻止するものであり、かなりの効果があるものと思われる。当然海上自衛隊も臨検に参加することにならなければ米国を動かすことにならないだろう。ここは安倍も腹を決めておくことが求められる。要するに北を相手にして6者協議など話し合いの場を設定しても効果がない事は過去の事例で証明されている。当分の間はミサイル・核実験への代償がいかに高くつくものかを最高指導者・金正恩に骨の髄まで叩き込んでおく必要がある場面だ。


★俳句=さくさくと羅紗(らしゃ)切る音や春隣

«前のページ 1 ... | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ... 22 次のページ»